耐震性のある壁での日本住宅ではよく使われており、種類も豊富です。大きく分けると、窯業系（ようぎょうけい）、金属系、樹脂系、木質系とあり材質も様々です。サイディングは工場で生産されるため、「品質が安定」「施行が簡単＝工期を短縮できるため施工費を抑えられる」というのが特徴です。日本の建築の8割がこのサイディングの壁です（リフォーム産業新聞社調べ）

1. 窯業系サイディング

窯業系サイディングは、セメント系の素材強度と木質系の断熱性を最大限に活かした上で表層部のガラス質のコーディングで耐久性も確保した外壁材です。素材が軽いため、地震による崩壊に強く、地盤沈下しにくいです。職人技術が必要としないため、モルタルと比べて建築費用が安くなります。窯業系サイデイングは外壁素材にこだわりがなく、色・柄が最も多く揃うので住宅新築時やリフォーム時に迷ったらこれを選べば間違いありません。日本の住宅の8割がこのサイディングで、そのうちの大半がこの窯業系サイデイングで、日本住宅全体の中の割合は７割です（リフォーム産業新聞社調べ）。

2. 金属系サイディング

ガルバリウムやアルミニウム、ステンレスなどの金属板に裏打ちをして製造されたサイディングです。軽量（窯業系サイディングの四分の一、モルタルの十分の一）で建物に負担がかからなく、金属であるため収縮がそんなにないため、クラックが起きにくく、紫外線に強いのが特徴で、軽い材質が重ね塗りに最適な事から、リフォーム時に採用される事が多いです。塗料の種類や外壁の素材によっては、呼吸（通気性）が妨げられ、内部に湿気がたまりやすくなります。日本住宅全体の中の割合は9％です（リフォーム産業新聞社調べ）。

3．樹脂系サイディング

塩化ビニル樹脂などの樹脂素材によって製造された壁材です。耐久性が強く、劣化や退色も起きにくい上に、軽量素材であるため建物に負荷がかかりません。日本ではほとんど普及しておらず、アメリカで一般的な素材。外壁材に色がに塗り込まれているため塗装はげが生じにくいこと、シーリングの必要がないことも良い点です。日本で施工できる建築業者は限られており、また色・柄のバリエーションは少ないです。各種サイディングを含む外壁素材の中ではかなり高価です（最も安価の窯業系サイディングの３倍）。

4．木質系サイディング

天然木に塗装を施して、断熱性を高め、「木」ならではの見た目にも環境に優しいと思える壁材です。木の壁に憧れる方も方も多いでしょう。ただし、経年劣化（防水性劣化、雨水腐食）こまめなメンテナンスや消防法により指定の防火地域では使用できないことには注意が必要です。更に最も安価の窯業系サイディングの２倍と高価です。

モルタル壁とは、網状の金物（ラス）の上にモルタル（主に砂とセメントと水を混ぜて作る建材）を塗り、最後に塗装をして仕上げます。最近の新築住宅では減ってきましたが、ひと昔前はモルタル壁が主流でした。築年数30年くらい経ちそうな家の多くは、モルタル素材です。クラックは、ひと昔に比べると少なくなっていますが、日本の建築の13％がこのモルタルの壁です（リフォーム産業新聞社調べ）。

利点として継ぎ目が目立たないので、正規工法として確立されています。熟練した職人による長期の工事になってしまうので、結果的にコストが高くなります。サイデイングなどの「乾式工法」は工事の工程が少なく工期短縮が図れコストダウンにつながります。一方でモルタルは外壁下地材の上に「吹付タイル」「リシン吹付」「スタッコ吹付」などの「吹付工法」（吹付を行うのは共通、[吹付→ローラー/コテ/コンプレッサーで仕上orローラー/コテ/コンプレッサー→吹付という手順は各々異なる）はデザインや仕上がりの自由度が高い代わりに手間も技術も要るからです。モルタルは、素材としては重く、クラック（裂け目やひび割れ）が起こります。ヘアークラック（乾燥収縮や膨張などによって表面に生じた髪の毛程の細かいクラック）は、素材の性質上起こりえる可能性があります。

塗り壁は、石膏ボードやモルタルなどに土や漆喰など天然素材を、荒塗り、中塗り、上塗りと何層も重ね塗りをして仕上げた壁です。最近の日本の住宅では殆ど見られません。

日本の気候には優れた伝統的な工法で、調湿性や断熱性、防火性、防音性など優れています。天然素材を利用できるということから、人気がありサイディングやタイルなどと組み合わせることも可能で、様々な意匠が可能です。塗り壁の特徴は、仕上がりだけでなく素材にもこだわれる点にあり、日本の風土にあった、天然素材で仕上げられるため近年見直されています。

タイル貼りの家は高級住宅のような感じがしますが、今では別素材が出てきたこともあって、見なくなってきています。

外壁にタイルを貼り仕上げる工法ですが、「乾式工法」「吹付工法」の両方あります。元々はモルタルを使って「吹付工法」で壁に貼っていましたが、乾式工法が考案され、引っ掛けたり接着剤を利用したりと工期短縮につながっています。タイルの素材は、粘土や石材を細かく粉砕したものを焼き固め、耐候性や耐久性に優れています。また本記事下部にて説明のALCとの組み合わせもあります。経年におけるメンテナンスは、サイディングに比べ極めて優れており、メンテナンスの手間が最も掛からない素材です。剥離した時の修理など欠点も一部あります。タイル自体は耐久性に優れていますが、その下地に使われている素材の状況がわかりにくいのも難点です。各種サイディングを含む外壁素材の中では最も高価な事です（最も安価の窯業系サイディングの４倍以上）日本住宅全体の中の割合は３％です（リフォーム産業新聞社調べ）。

ALCとはautoclaved light weight concreteの頭文字を取った素材で、軽量気泡コンクリートのことを指します。中まで詰まったコンクリートと違い、中に気泡がある鉄筋コンクリート板です。一般の住宅で使われることは少ないですが、ビルなどはALCを使用しているところもあります。

ALCは耐久性、断熱性、遮音性に強く、防災性や防火性も高いためビルなどに使われることが多いです。軽量なのに耐久性が一番凄く、環境によって年数は変わりますが、55年近く貼り替えなしで済みます。耐久性がある代わりに防水性には欠点があり、定期的なメンテナンスが大変です。更に最も安価の窯業系サイディングの2.5倍と高価です。日本住宅全体の中の割合は３％です（リフォーム産業新聞社調べ）。

ALCに吹付塗装

ALC+タイル